彼女は生まれて初めて夜を買おうと思った
けれどそれが一体どういうことなのか
解らなかった
彼が言ったとおりショーウィンドウには
彼女の求めるものは
何一つなかった
音の割にはスピードのでないバイクで
走り回ることや
知らない男の下で天井を見てることで
夜を買えるとは思えなかったが
彼女の友達の多くはそうしていた
「一体何が必要なんだろう?」
道の端から腰を上げた彼女は
朝がくるまで歩き続けることにした

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