14歳、中学2年生になって暫くした頃、絵画教室に通い始めた。
お絵かきするためではなく、芸大受験を目指してのデッサンを学ぶためだった。
石膏像や静物を前に何時間も、ただひたすらに鉛筆や木炭で描き続けた。
時折消しゴムの代わりに使う食パンを食べながら目を細め、描いた影の調子を確認した。
教室は大抵4~5人の高校生達が同じように対象に対峙していて、扇風機が回る音と鉛筆や木炭のシュッシュッという音だけがしていた。
夜10時になると年老いた女の先生の「はい、今日はここまで。」という声で張りつめた空気が緩やかな流れに変わる。
かたづけを済ませ、そそくさと教室を出るとポケットに手を突っ込んだ…

あれから26年、高くなったなぁ…でも、止められない…

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