オッチャンが会社を辞めたこともあって、俊哉達は再び忙しくなった。
オッチャン達は何事もなかったかのようにその手を休めず、黙々と働いている。
俊哉もまた懸命に働いた。
それまでの仕事に加え、今までオッチャンがやっていた溶接を、合間を見つけては練習するようになった。何度も目を焼いて充血したり、あちこち火傷したりで大変なのだが、俊哉はそれを苦痛に感じなかった。
家に帰っても疲れ切って眠るだけの暮らしにあれほど嫌気がさしていたはずなのに、
今はそれが何故か妙に心地いい、と俊哉は感じていた。

<了>

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