日曜日の朝僕は大抵10時頃に目が覚める
だけどすぐには起きず昼前ぐらいまでは
シーツにくるまったままボーッとしている
予定のない時はいつもそんな感じだ
2階のキッチンでは親父が朝からビールを飲んでる
人付き合いが下手な彼は誰と接することもなく
アルコールを摂取することに一日を費やす
いつの頃からか親父は小言しか言わなくなった
彼の仕事が時代の流れから外れ
職人気質がいつまでも通用しなかったり
世間との折り合いがつかなかったりで
彼の背中は日を追うごとに年老いてゆく
仕方のないことなのかもしれないが
そんな彼を見ているのは僕には苦痛でしかない
彼となるだけ口を利かないようにしているのは
そういうことだ
TVだけが彼の前で饒舌だった
けれど僕にしたって日々何らかの
危機感を感じながら生きていても
その日その日の疲労を紛らわすことで精一杯
君のために何かしてあげようとする気持ちさえ
何処か遠のいてしまう
あの頃よりも笑わなくなった君もまた
疲れているのだろう
代わり映えのしないFMのカウントダウンが
神経を逆なでする
ダレカ コノオモタイセナカヲ ケズッテクレ
とりあえず携帯電話の電源を切ったままにして
どこか出かけよう
このままじゃ潰れてしまう
僕は溜息を飲み込んで
車に乗り込んだ
石を蹴るようにアクセルを踏んだ

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