先週の金曜日、会議中の俺に家から電話がかかってきた。
母が泣きながら病院に行くようにと。
詳細はわからない。
ただ、親父に何かあったことだけは理解できた。
しかもかなり悪い状況だということも。

俺は急いで会社を出て、車に乗り込んだ。
運転しながら数日間の仕事の段取りを指示する。
ひょっとしたら一週間は出てこれないかもしれないからだ。
「そんなに大声出さなくても聞こえていますよ。」
電話の向こうでスタッフが言う。
冷静なつもりだったが気が立っていたのか。
「ああ、こんなところで焦って事故でも起こしたら大変なことになる。」
時計を見ると2時を回っている。
いつも使う道が混雑する時間帯だ。
回り道することも考えたが、そこが渋滞していないという保証もないので、そのまま進んでいくことにした。

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