昔々、子供の頃(多分小1ぐらい)、母親が出かける際「これで好きなものを買って食べなさい」と
昼食代として1000円くれた。
当時の1000円は…っていうか俺にとっては大金だった。
お年玉でも500円札がフツーで、1000円もくれたら満面の笑みで「おじちゃん、ありがとー」もんだった。
とりあえず出費を最小限に抑え、残りを小遣いにすべく俺は家を出た。

さて、その1000円を握りしめ近くのスーパーへ。
馴れない大金を持っていることと何を買って食べようかで心臓は16ビートw
シンコペーション(不整脈)までは入ってなかったと思う。
飢えたオオカミ(実際は子豚ちゃんw)のように獲物を求め、売り場を何回も回って食べたいものを探す。
お惣菜コーナーには子供の好きなマカロニサラダをはじめとするマヨで味付けした各種サラダや
唐揚げ、天ぷらなどが並んでいて、目が釘付けになる。好物ばかりがそこにあるのだから無理もない。
もう少しでイカリングフライに手が届くか、というまさにそのとき天の声が聞こえた。

「それは今すぐに食べることができるが、1パックだけじゃ量が足りないだろう。」
「たくさん買ってもいいが、小遣いが無くなってしまうぞ。それでもいいのか?」

俺は伸ばした手をひっこめ、再び売り場をまわりはじめたんだ。
そしてついにある場所に辿り着いた。スパゲティの乾麺が山のように積まれていて
いくらだったかは忘れたが、特売だったような気がする。
「これだ!!やっぱりこれしかないんだ!」俺はそいつを手に取った。
300gって書いてある。

…以前、母親と買い物について行ったときのことを思い出した。
別の店でポテトサラダを300g買い、それが夕食に並んだとき、
俺は旨い旨いと言いながら、両親の分まで平らげたんだっけ。

「よし、これなら一袋買うだけで他はなにもいらないな。」
そう確信して俺はゆっくりレジのほうへ歩いていった。

家に着くと早速調理開始。
だが、そこはやっぱり子供。作り方がよくわからない。
とりあえず袋の裏面に書いている通りに麺を茹で始めた。
次はソースだ。
しかし、頼みの綱の袋にそんなレシピが書いてあるはずも無い。

あ た り ま え だ w

どうしよう…悩んだ俺はある結論に達した。
玉子かけごはんが好物だった俺は、あれと同じ手順で味付けすりゃいいんじゃないか、と考えた訳だ。
和風カルボナーラであるw
今でこそパスタの定番メニューだけど、30年以上も前には日本中どこを探してもなかったはずだ。さすが俺w
そして茹で上がった麺を大皿に盛り、たまご2個と醤油を…

「いただきま~す」

買い物という冒険乗り越え、調理における苦悩を経て
裏切りのない完璧な味付けwに俺はちょー感動しながら食べ…
…ていたのだが、食べても食べても量が減らない。

あ た り ま え だ w

茹でたら量が増えることを誰も教えてくれなかった…

とりあえず根性で食べきった。
夜になって腹をこわして両親に笑われた。

あ た り ま え だ w

今でも時々パスタを作る。さすがに和製カルボナーラではないけどw

あのとき残った小遣いは何に使ったんだろう…

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