先週の会議でどんなメニューを撮影するのかを
決めなくちゃいけなかった。
誰もいいアイディアがないようだった。

時間だけが過ぎていく。

こんな情景は三流のドラマによくでてくる。
煙草の煙でもうもうとした室内
鼻をほじくる上役
うつむいてばかりのOL…

うちの会社は全面禁煙だから煙草の煙はないけど
あとは似たようなもんだ。

「…か、牡蠣…じゃ…だめっすか?」

たまりかねた俺がそう口火を切った。
「ただ鍋に入れたり、牡蠣フライにするんじゃなくて…もっとこうほんわかするような料理に…」
「親子丼じゃないけど、玉子とじにしたらいいかと…」
遠慮しがちな口調だったけど
目は誰にも何も言わせないって感じ。
そこはモチロン意識した。

はやくその場から抜け出したかったし
なにより数日前にTVで見た牡蠣丼がどうしても食べたかったのだ。

そして、ようやく今夜、撮影を終えて
俺の胃の中に収まったという訳だ。

う~ん、満腹。

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