もう13年前の事なんだけど、
すごく仲のよかった娘が急死した。
真冬の早朝。
心臓発作だった。

彼女が病を抱えていたことは誰も知らなくて、
本人もさほど気にして無かったのかもしれない。
でも、まだ二十歳になったばかりなのに、
やり残すどころか、始めたばかりなのに
彼女は遠くへ行ってしまったんだ。

彼女が亡くなった後、俺は引き蘢った。
家族や友人から避け、昼夜逆転の生活を半年間続けた。
当然仕事も失った。
その間、何を考えていたのかは今となっては思い出せない。
ただ虚無感や喪失感だけがとりまいていて
その他の一切が通り過ぎて行った。

最近彼女の夢をよく見る。
でも、楽しかったことなんかはあらわれず
いつも出て来るのは、葬儀の時に見た、
柩の中で眠る彼女の顔なんだ。

家族性突然死症候群という病気がある。QT延長症候群ともいう。
いわゆる難病(特定疾患)の一つだ。
先の話とは関係ないが、今、大切な友人がその病で苦しんでいる。

そして俺も。

適切な投薬してる限り突然死は防げるんだけど。
彼女と友人がどうしてもダブってしまうんだ。

今、俺が出来る事と言えば
何の役にも立たない祈りだけだ。
神なんてどこにもいやしないのに。

静かな暮らしを…
穏やかな眠りを…
柔らかな光を…
澄んだ音楽を…
優しい水を…

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