深夜事務所を出ると雨が止んでいた
駐車場まで歩きながら友人に電話してみるが留守電になっていて
メッセージを残す事もせず切った
何かを伝えたい訳じゃない
ただ繋がっていたいだけなんだ
車に乗り込むと同時に煙草に火を付ける
最後の一本はなんだかいやに不味くて
それでも目一杯煙を吸込みながらをアクセル踏み込む
途中コンビニに寄り
新しいパッケージを買いまた火を付ける
少し気分が悪くなって
窓全開で走る
吹込む風は冷たいけれど
凍える程じゃない
辿り着くまでの間
ずっとそうして走っていた
ただいまもおかえりなく自分の部屋に辿り着く
僅かなクールダウンもそこそこで
とりあえず眠る態勢を整えた
いつしかまた雨が降り出した
子守歌代わりの雨音を聴きながら
誰に向ける事のないおやすみを呟いた