昨夜、検査入院から戻ってきた友人と電話で話す事ができた。
声の感じから思っていたよりも元気そうで安堵する。
(実際はそんなに楽観できないのだけれど)
病気の事は専門家じゃないからなにもわからない。
本人は元医療従事者だから余計な事を言う必要も無いのだけれど
関係者だからこそ見えてしまう、わかってしまう事の辛さを
ひとつひとつ聞いてあげる。
一介の患者になりきれない友人の苦悩はやはり深かった。
医師達の会話の内容がわかるから恐怖心が倍増する。
簡単に言えば、医師が投薬する時に
患者がその薬がどんなものか理解していない事が殆どだ。
仮に医師に聞いても正しい答えが得られるとは限らない。
患者は医師の言葉を鵜呑みにして、病気に効くいい薬なんだと納得するしか無い。
しかし、友人は一瞬にしてその薬がどんなものかがわかってしまう。
メリットもデメリットも、だ。
話は変わるけれども
俺はデザイン業界でずっと働いてきたけれども、
意外に医療関係のカタログやパンフレット、業界誌の制作に携わる事が多くあった。
26~33歳までの間、一時的にこの業界を離れ、金属加工の製造業に就いた時も
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)の製造に携わり
大手製薬会社、病院、研究所、実験施設などに設置工事を行った経験を持っている。
そして現在も医療とは縁の遠くないところでのデザインに関連した仕事を行っている。
これまでに得た医療関係の知識は一般的ではないが大切な事だと思っている。
だから、と言う訳ではないが、薬剤に対しての考え方が一般の人とは少し違っていたりする。
どんな薬でも表と裏がある。
裏の部分は後からボディブローのように体を蝕んでくる。
友人はそんな俺と違って、医療の現場でそれらを使う側の立場だったから
余計に感じてしまうのだと思う。
薬の事だけじゃない。
治療の方針や方法にしても、今回は検査というよりは実験に近いものだったそうだし
自分の病気がまだ見つかったばかりの難病だから
医師達も暗中模索だというのも、看護師達の不手際も
みんな、みんな、みんな、見えてしまって
たった数日の検査入院が
何週間も続く拷問に感じたそうだ。
そんなことの一つ一つを
友人の体調に合わせて
ゆっくり時間をかけて解きほぐしていきたい。
そうすることで
理解されている、守られているといった気持ちを
一人じゃないって言う気持ちを
持ってもらえたらと願う。