さっき会議で取引先の方が亡くなった、という話があった。
映像会社の代表でまだ50代の若さだった。
古い付き合い、という訳ではないけれど
年に数回一緒に仕事をしていたので、無関心ではいられない。
もともとは先代が起こした写真館を引き継ぎ、町の写真家としてやっていた。
需要が減って来たのを機に映像へ転身し、
講演会やイベントを撮影しDVDにして販売するという事を生業としていた。
彼がうちの会社に出入りするようになってから6本のDVDを制作している。
何度か彼のスタジオに行ったことがあって
仕事を手伝った。
既に使われなくなっていたスタジオは物置と化していて
もったいないなぁって言ってた。
俺が会社の粗末な撮影台で物撮りしているのを知っていたので
場所を貸そうか?と言ってくれていたのだが
会社とスタジオの距離がネックになってその話は流れてしまった。
彼に家族はいない。
不器用な性格だからだろうか、結婚には縁がなかったようだ。
男やもめの寂しい生活だったんだろうなと思う。
残念ながら彼にはクリエイティブな資質はなかったから
ただ不摂生な生活を送るしか無かったのだろう。
葬儀は彼と一緒に仕事をしていた仲間が行うようだが
その後の事は何もわからない。
合掌。