結婚の約束をして、式場を決め、相談会や下見を重ねていくうちに
俺の中であるプランが生まれた。
いつも夕陽を撮っているんだから、この日も夕陽を撮りたい…彼女と一緒に…
結婚式の間中、普通ならそれまで付き合ってきた中での喜びや苦しみ、
これからはずっと一緒にいられるという気持ちや、何が起こって行くのかわからない不安…
そんな諸々がごちゃ混ぜの何ともいないような気持ちになるんだろうけど、
俺はずーっと、どんなアングルで撮ろうか、みたいなことばかり考えてたんだ。
ご存知の通り「夕焼け」の時間はあっという間に終わってしまう。
その僅かな時間にどれだけのベストショットが撮れるのか。
幸い、晴れ女の彼女のおかげでとてもいい夕陽だった。
ロケーションは最高。
小道具も用意した。
カメラは愛用のEOSとG10。
モデルは…コメントは差し控えておこうw
これでちゃんと撮れなきゃ俺の名が廃るってもんだ。
カミサンにしたら晴れの舞台、夢の結婚式なんだろうけど、
いや、勿論俺にとってもそれは同じなんだけど、
それでも俺にしてみたら、超真剣なフォトセッションに他ならない。
そのために30分ほどの式時間に対してチャペルの使用時間を3時間とっていたのだ。
実は、この結婚式に「ケーキカット」はない。
つまり、このフォトセッションこそが
二人の初めての共同作業という訳なのだ。
夕陽が完全に沈み、最後のシャッターを切る。
その音は夫婦になった俺達の人生の始まりの合図に聞こえた。
なんてなw