クリエイティブな仕事というと常に新しいものを求められるわけですが、
「0からの発想を…」とか言われても、
作り手としてはそうポンポンと新しいものが生まれるハズもなく、
「0からは何も生まれない。小さいことの積み重ねが詰まった記憶の引き出しから断片を引っ張り出してあーでもないこーでもないって七転八倒しながら組み合わせを何通りもやって、それでなんとか形になればめっけもんなんだよーっ!!」
…という心の声を押し殺し、引きつった笑みを浮かべながら「頑張ります」としか言えない。
そしてまた夜な夜な引き出しをぶちまけて永遠に続くかもしれないパズルを解くことになるのです。
そうして苦心して作っても、「ボツを食らう」ことがあるわけで。
そしたらまた夜な夜な…になり、睡眠を削り、偏食が重なり…
おっと、これ以上は愚痴になってしまう(笑)
でも、そんなクライアントに却下されたものは日の目を見ることができない?
いやいやそんなことはないのです。
随分昔に作ったロゴがその当時ボツを食らったのですが、
数年経った今年の春先に別のクライアント先で花咲くことができました。
これぞ「焼き回し」(笑)
今まで成功も失敗もたくさん重ねてきて、普段は忘れてても、
どんなものを作ったかはなんとなく覚えているもので、
「そーいや、あんなの作ったなー」とか思い出して、HDDを探してみると…
「あったあった!よし、これを流用しちゃお!」となります。
音楽的に言うと、「セルフカバー」とか「リアレンジ」「リマスタリング」とかそんな感じ?(笑)
新しいものを生み出そうとするならそれなりのコトが必要です。
豊かな感性、柔らかい頭。
それらを養うための時間やお金、もちろん環境も。
クリエイティブ業を生業にする人に限らず、どれも必要なんですけどね。
ただそれらを得るために強いられるものがだんだん増えているような気がします。
作ってもらう人が作った人に感謝していた時代は遠い昔みたい。
作らせていただく人が作らせてやる人に媚びへつらう時代なのかね。
作らせる人の意見は絶対で作る人は従うしかないのかね。
おかしいね。
コンビニやファミレスなんかで態度がでかすぎる馬鹿がいるけど、
わずか数百円か数千円ぽっち払っただけで「客の立場」という名の剣を振り回す。
だからナニ?と思う。
間違った「お客様は神様です」信仰と拝金主義は確実に平和な暮らしをダメにしてる。