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2007-10-27

自分の中の確かな感情よりも
相手の不確かな感情に左右されてしまいそうな
帰り道

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2007-10-27

自分には何もないからと
君は雪になった
かざした手に舞い降りた君は
ほんの僅かな時間僕と言葉を交わし
ほんの僅かな時間で溶けてしまった
君の亡骸は透明な水に姿を変え
指の隙間から滑り落ちる
まるで君の涙の様に
まるで僕の涙の様に

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2007-10-27

こんなにも小さな願いを神様は聞いてくれない
「きっと忙しすぎるんだろうね」
そういって君は僕のため息を吸い込んで向こうへ吐き出した
「もうこれでいいでしょ?」
君は神様よりすごいかもしれない

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2007-10-27

もう明日は目覚めなくてもいいんだ
そんなおかしな安堵感を感じたくはない
たとえ立ち止まっても来た道を戻っても
歩き続けて行く
それで力尽きたとしても
それはそれでいい

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2007-10-27

「とりあえずの楽園」に生きるのは
「とりあえずの自分」なんだろうか
今まで遭遇したシーンに合わせて
「とりあえずの自分」を使い分けて生きてきたような気がする
それでも分裂症にならなかったのは
もう既に壊れていたから

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2007-10-27

刹那の音霊は風の声
風の声は君の吐息
澱んだ川の流れのように
ビルのすきま風のように
頬をつたう涙のように

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2007-10-27

朽ち果てた肉体なんかどうでもいい
この行き場の無い想いの塊を
ただただ浄化させたいだけなのだ

誰も訪れない場所を選んだのは自分の選択
君だけにその場所を伝えなかったのは誤算

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2007-10-27

希望は不安の裏返し
夜中から降り続く雨は
明日に流す汗なのか涙なのか

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2007-10-27

男はいつまでたっても子供のようだが
女はある日を境に別の生き物に生まれ変わる
ただ記憶を継承しているだけで
別の生き物に生まれ変わる

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2007-10-27

目覚めた時に朝日が昇っていたら
新しい朝が来たんだと思えていた
でも今は
真夜中になると目が冴えて
何時間も無駄に時を費やし
太陽の昇る様を見ていると
出来上がった今日に
予想のついた今日に
打ちのめされてしまう
まだ何も始まっていないのに
それでもその日をやり過ごさなくちゃならないなんて